訪問歯科診療を行うにあたり知っておきたいこと おうちに行こう!?訪問歯科診療のススメ? 訪問歯科診療のススメ 日本歯科大学教授であり、口腔リハビリテーション多摩クリニックの院長も務められる、菊谷武先生にモリタ友の会ダイレクトメールとの連動企画でコラムを執筆していただきました。本コラムは、ひとりの患者さん(仮名 田中さん)の診療を通して、診療室で気づく口腔機能の低下、その診断法や対応法を紹介した、全6回の構成です。 #01 田中さーん、お入りください! 咀嚼困難感を訴え、新義歯作成を希望して、78歳の男性(仮名 田中さん)が外来受診した。20年来、通ってくれている患者さんだ。メインテナンスの要請にも応え、欠かすことなく受診してくれていた。 #02 年のせいって言えたらいいのに 初回の来院時は、なぜ噛めないと患者さんが訴えるのか見当がつかなかず、「噛み合わせの調整をしました。次回まで様子を見てください」と、体よく判断を先送りしてしまった。1日の診療が終わって、ようやく落ち着いたところだ。田中さんのことが頭をよぎる。 #03 咀嚼障害は何によって起こるのか さて? 義歯もしっかりあっている田中さん、どうして噛めないのだろう。年のせいなのか?それとも・・・。いずれにしても、年のせいなんて言えない。 #04 「なにをみて、なにをするのか?」 田中さんが来院した。前回は、「噛み合わせの調整をしました。次回まで様子を見てください」と、体よく判断を先送りにしていたので、やはり、訴えは変わっていない。それどころか、通院するのに不安があるとの発言もあった。 #05 「噛めない人には噛まなくてもよい食事を」 一般に運動は、「運動範囲」「運動の力」「速さ」「巧緻性」という要素に分けることができる。運動障害はこれらのいずれか、または、複数の要素が障害されることになる。咀嚼においても同様である。 #06 そして、僕は在宅に向かう 僕たちは、咀嚼障害は改善するものとして対応してきた。実際、多くの患者さんを直してきた。そして、多くの患者さんに感謝もされた。でも、今まで見てきた患者さんは、ある意味、特殊な患者さんだったということなのか? CLOSE UP 歯科衛生士 - いま広がる多様な働き方 -