訪問診療の点数ってどうやって算定するの?
代表 亀井 綾子
訪問診療料の基本的な点数算定
まず訪問診療料を算定するには「歯科訪問診療料に係る施設基準(注13)」(様式21の3の2)(以下注13と呼びます。)を地方厚生局長に届出ることが必要です。 この届出は、訪問診療を行っていなくても届け出ることが出来ます。届け出ていない場合は、初診料・再診料に相当する歯訪診(初)・歯訪診(再)を算定することになります。
同一建物に居住する患者 | |||
---|---|---|---|
訪問人数 | 診察時間: 20分以上 |
診察時間: 20分未満 |
|
歯科訪問 診療料1 |
1人 | 1100点 | 880点 |
歯科訪問 診療料2 |
2~9人 | 361点 | 253点 |
歯科訪問 診療料3 |
10人以上 | 185点 | 111点 |
同居する同一世帯の場合の例外 | |||
訪問人数 | 診察時間: 20分以上 |
診察時間: 20分未満 |
|
歯科訪問 診療料1 |
1人 | 1100点 | 880点 |
歯科訪問 診療料2 |
同居する 同一世帯 2人目以降 |
361点 | 253点 |
では「注13」を届け出て、訪問診療料を算定する時の注意点を確認していきましょう。
① 訪問先
訪問先は、同一建物居住者と同一建物居住者以外に分かれています。
・同一建物居住者とは、同じ建物に居住する複数の患者に訪問診療を行なった場合
・同一建物居住者以外とは、居宅等に訪問して1人だけを訪問診療する場合
② 訪問人数
訪問人数とは、同じ建物で1日につき訪問診療を行なった人数です。
ここで注意して欲しいのが同居する同一世帯の例外です。
例えばご夫婦、兄弟で住んでいる居宅に訪問診療を依頼され診察を行なった場合を想像してください。この場合、1人目は訪問診療料1を、2人目以降は訪問診療料2を算定することになります。
同居する同一世帯なので施設等に訪問して2人を診察するケースとは異なります。
③ 診察時間
診察時間は、患者さん1人に要した時間で20分以上が基本となっています。20分未満は所定点数の70/100になっています。
訪問診療料の加算点数
次に訪問診療料の加算として算定できる点数をご紹介しておきます。
※加算に関しては施設基準の届出が有り・無しで点数が異なる点に注意です。
「歯科訪問診療補助加算」
歯科訪問診療補助加算は、歯科衛生士が同行して診療の補助を行なった場合に算定します。
同一建物居住者 | 同一建物 居住者以外 |
|
---|---|---|
歯援診1 / 歯援診2、 か強診 届出医院 |
+50点 | +115点 |
その他の保険医療機関 | +30点 | +90点 |
「歯科訪問診療移行加算」(歯科訪問診療1のみに加算)
歯科訪問診療移行加算は、当該診療所で外来歯科診療を継続的に受診していた患者様が訪問診療の必要性が生じ、20分以上診療を行なった場合に算定します。
(最後の外来受診日(初診料、再診料を算定した日)から起算して、3年以内に訪問診療を実施)
歯援診1 / 歯援診2 | +100点 |
---|---|
か強診 | +150点 |
その他の保険医療機関 | +100点 |
*算定のポイント*
加算に関しては施設基準の届出で点数が異なる点に注意です。
訪問診療料には、外来診療と同じく管理料の算定もでき、また今回ご紹介した加算以外にも届出を行うことによって算定できる点数が有ります。施設基準が決められていますのでご確認ください。
次回は訪問歯科衛生指導料の算定についてお話ししたいと思っています。