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よく分かる「高齢者歯科・訪問診療」

GUIDE
#02
おうちに行こう!?訪問歯科診療のススメ?

年のせいって言えたらいいのに

日本歯科大学教授 口腔リハビリテーション多摩クリニック院長菊谷武先生
このコラムの著者
日本歯科大学教授 口腔リハビリテーション多摩クリニック院長
菊谷武先生

年のせいって言えたらいいのに

初回の来院時は、なぜ噛めないと患者さんが訴えるのか見当がつかず、「噛み合わせの調整をしました。次回まで様子を見てください」と、体よく判断を先送りしてしまった。1日の診療が終わって、ようやく落ち着いたところだ。
田中さんのことが頭をよぎる。ソファーからようやく立ち上がった田中さん。
僕は患者さんの求めに応じて新しく義歯を作るべきなのか?そういえば、この前参加した研修会の講師がこんな話をしていた。

日本人はどのように老いていくのだろうか?
東京大学高齢社会総合研究機構の秋山弘子氏が行った全国高齢者20年の追跡調査によると、男性では約70%の者が75歳以降に徐々に身体機能、認知機能を低下させ自立度を低下させるという。一方で、高齢者の皆が憧れる「ぴんぴんころり」は10%程度にしか過ぎずないという。

チャート

矢印①は、手段的日常生活動作について援助が必要なライン、矢印②は加えて基礎的日常生活動作についても援助が必要とするラインを示している。手段的日常生活動作とは、交通機関を利用した外出や服薬管理、金銭の管理など高次の生活機能を維持するために必要な能力である。ひとりで交通機関を利用して来院する能力や適切に口腔衛生を保つ能力はこれにあたる。また、基礎的日常生活動作は歩く、トイレに行くなど基本的な日常生活機能についての動作を示している。歯科医院に徒歩で来院する能力はこれにあたる。つまり、70%の者が80歳を前にして、一定の精度をもった口腔衛生管理ができなくなる恐れがあり、80歳前半には外来受診が困難になるといえる。

やはり、なんとかしてあげたいのイメージ

この患者さん(田中さん)は75歳を超えているし、噛めなくなっているのは年のせいなのだろうか?と僕は考えた。でもこれまで、義歯が合わないと訴えてきた患者さんに“年のせい”なんて言ったことはない。田中さんにそんなこと言ったら、またさっきの調子で、怒られちゃうかもしれない。
大学を卒業してすぐ師事した教授には、いつも“世の中の歯医者は義歯が下手すぎる”と言われて、義歯を学んできた。義歯は得意であると少しの自負もある。教授から直接学んだ身として、やはり、なんとかしてあげたい。

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