確認しよう!訪問診療に関する「管理料」と「指導料」

代表 亀井 綾子
訪問診療において管理計画はとても重要です。患者の全身の状態、口腔の状態、嚥下の状態、食形態等とあらゆる角度から患者の状態を把握してください。そのために他医療機関の関係職種の方々と情報交換してみませんか?
(1)歯科疾患在宅療養管理料(歯在管)月1回
| 在宅療養支援歯科診療所1 | 340点 |
|---|---|
| 在宅療養支援歯科診療所2 | 230点 |
| 上記以外 | 200点 |
*歯在管を算定する場合は、周術期等口腔機能管理料、回復期等口腔機能管理料、在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導料を算定できません。
歯在管を算定する場合は管理計画を立案するために患者の状態を確認して下さい。
- 患者の全身の状態(基礎疾患の有無、服薬状況等)
- 口腔の状態(口腔衛生状態、口腔粘膜の状態、口腔乾燥の有無、歯科疾患、有床義歯の状況、咬合状態等)
- 口腔機能の状態(咀嚼の状態、摂食・嚥下の状況及び構音の状況、食形態等)
歯在管は口腔機能低下症の管理も含みます。
- 歯の喪失や加齢、または全身疾患等により口腔機能の低下を認める在宅療養患者の管理
(口腔機能の低下を診断するために口腔機能低下症のガイドラインを参考にして下さい。)
https://www.jads.jp/assets/pdf/basic/r04/document-221207.pdf
歯科疾患の継続的な管理を行うことを患者等に同意を得て管理計画に内容を説明した場合に算定します。
(文書提供を行なった場合は、文書提供加算(10点)を算定して下さい。)
>歯科在宅療養管理計画書 (PDF形式)
(2)歯科疾患在宅療養管理料の加算
①在宅歯科医療連携加算1(在歯連1) 100点(計画の作成、変更時に1回に限り算定)
他の保険医療機関を退院した患者であって継続的な歯科疾患の管理が必要なものに対して、当該他の保険医療機関の歯科医師から患者の退院時に受けた情報提供及び当該患者の歯科疾患の状況を踏まえて管理計画を作成した場合に加算します。
レセプト摘要:在歯連1 提供元保険医療機関名
②在宅歯科医療連携加算2(在歯連2) 100点(計画の作成、変更時に1回に限り算定)
他の保険医療機関を退院した患者または介護保険法第8条第25号に規定する介護保険施設等に入所している患者もしくは同法第8条第2項に規定する訪問介護の利用者であって、継続的な歯科疾患の管理が必要なものに対して、医師、看護師、介護支援専門員等からの情報提供及び当該患者の歯科疾患の状況を踏まえて管理計画を作成した場合に加算します。
レセプト摘要:在歯連2 提供元介護保険施設名
③在宅歯科医療情報連携加算(歯情連) 100点(月1回) 要届出
他の保険医療機関等(当該患者の在宅歯科医療に係る関係者)から電子情報処理組織(ICT)を使用する方法、その他の情報通信を利用する方法を用いて当該患者に係る診療情報等に基づき管理を行う場合に加算します。
(在宅歯科医療に係る関係者とは、当該保険医療機関連携する他の保険医療機関の保険医、歯科医師、訪問薬剤管理指導をしている薬剤師、訪問看護ステーションの保健師、助産師、看護師、理学療法士、作業療法士もしくは言語聴覚士、管理栄養士、介護支援専門員または相談支援専門員)
④在宅総合医療管理加算 50点(月1回) 要届出
糖尿病の患者、骨吸収抑制剤投与中の患者、感染性心内膜炎のハイリスク患者、関節リウマチの患者、血液凝固阻止剤もしくは抗血小板剤投与中の患者、神経難病の患者、HIV感染症の患者、または感染対策がとくに必要な患者、もしくは当該感染症を疑う患者であって別の医科の保険医療機関の当該疾患の担当医から歯科治療を行うにあたり患者の全身状態、服薬状況等についての必要な情報を文書で提供を受けた場合に加算できます。
(3)その他の管理料
①在宅患者歯科治療時医療管理料(在歯管) 45点(月1回) 要届出
訪問診療を算定した日において高血圧性疾患、虚血性心疾患、不整脈、心不全、脳血管障害、喘息、慢性気管支炎、糖尿病、甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症、副腎皮質機能不全、てんかんもしくは慢性腎臓病(腎代替療法を行う患者に限る)の患者、人工呼吸器を装着している患者在宅酸素療法を行なっている患者または感染対策が必要な患者に対して、歯科治療時(注1)における患者の全身状態の変化を把握するため、患者の血圧、脈拍、経皮的動脈血酸素飽和度を経時的に監視し、必要な医療管理を行なった場合に算定します。担当医からの提供文書は不要です。対象の治療にご注意ください。
(注1)処置(外科後処置、創傷処置、歯周病処置を除く)、手術、歯冠形成、う蝕歯即時充填形成、う蝕歯インレー修復形成、支台築造、支台築造印象、印象採得、咬合印象、光学印象(全身麻酔下を除く)
②在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料(訪問口腔リハ) 月4回
- 対象患者:
- 在宅において療養をおこなっている通院困難な患者
- 対象疾患:
- 口腔疾患及び摂食機能障害、口腔機能低下症
- 治療の目的:
- 口腔機能の回復及び口腔疾患の重症化予防
- 管理の方法:
- 患者の全身の状態、口腔内の状態及び口腔機能の状態等の評価をもとにした管理計画作成
プラークコントロール、機械的歯面清掃、スケーリング等を主体とした歯周基本治療
口腔バイオフィルム除去
口腔機能低下症、摂食機能障害に対する訓練を含む指導管理 - 実施の要件:
- 歯科医師が1回につき20分以上行う、月4回に限り算定可能
患者に管理の内容を説明し、管理の同意を得ること
| 20分以上 | 口管強加算 | 歯援診加算1 | 歯援診加算2 | |
|---|---|---|---|---|
| 10歯未満(無歯顎患者を含む) | 400点 | +75点 | +145点 | +80点 |
| 10歯以上20歯未満 | 500点 | |||
| 20歯以上 | 500点 |
訪問口腔リハにも
在歯連1・2、歯情連
加算可能
- 算定の注意点:
-
ⅰ)算定した日以降に実施した歯周病検査、歯周病部分的再評価検査、口腔細菌定量検査1、摂食機能療法(歯科訪問診療以外で実施されるものを除く)、歯周基本治療、歯周病安定期治療(SPT)、歯周病重症化予防治療(P重防)、在宅等療養患者専門的口腔衛生処置、機械的歯面清掃処置及び口腔バイオフィルム除去処置は、指導管理料に含まれ別に算定できません。
歯周病検査、歯周病部分的再評価検査、口腔細菌定量検査1、
摂食機能療法(歯科訪問診療以外で実施されるものを除く)歯周基本治療、
歯周病安定期治療(SPT)、歯周病重症化予防治療(P重防)、在宅等療養患者専門的口腔衛生処置、機械的歯面清掃処置及び口腔バイオフィルム除去処置
注)口腔機能低下症の診断に必要な「口腔細菌定量検査2」は口腔リハに含まれません。ⅱ)開始する以前に、歯周病検査を含む歯周病の治療または口腔細菌定量検査1を含む口腔バイオフィルム感染症に対する治療を実施している場合は、算定できない。ただし歯周病の治療または口腔バイオフィルム感染小児対する治療を開始後に摂食機能障害または口腔機能低下症に対する訓練が必要になった場合においては算定できます。ⅲ)訪問口腔リハを算定する場合は、歯在管、周術期等口腔機能管理料、回復期等口腔機能管理料を算定できません。
③在宅歯科栄養サポートチーム等連携指導料
在宅歯科栄養サポートチーム等連携指導料1(NST1) 月1回
当該保険医療機関の歯科医師が、他の保険医療機関に入院している患者であって、歯科疾患在宅療養管理料、在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料又は小児在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料を算定しているものに対して、当該患者の入院している他の保険医医療機関の栄養サポートチーム等の構成員としてカンファレンス及び回診を行い、その結果を踏まえて口腔機能評価に基づく管理を行なった場合に、月1回に限り算定します。
在宅歯科栄養サポートチーム等連携指導料2(NST2) 月1回
当該保険医療機関の歯科医師が、介護保険法第8条25項に規定する介護保険施設に入所している患者であって、歯科疾患在宅療養管理料又は在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料を算定しているものに対して、当該患者の入所している施設で行われる食事観察に参加もしくは施設職員等への口腔管理に関する技術的助言・協力及び会議に参加し、その結果を踏まえて口腔機能評価に基づく管理を行なった場合に、月1回に限り算定します。
在宅歯科栄養サポートチーム等連携指導料3(NST3) 月1回
当該保険医療機関の歯科医師が、児童福祉法第42条に規定する障害児入所施設等に入所している患者であって、小児在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料を算定しているものに対して、当該患者の入所している施設で行なわれる食事観察等に参加し、その結果を踏まえて口腔機能評価に基づく管理を行なった場合に、月1回に限り算定します。
| 対象患者 | 実施すること | 指 導 | 2回目の参加 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| NST1 | 100点 | 他の保険医療機関に入院 | カンファレンス及び回診 | カンファレンスから2月以内に実施 | 前回参加日から 6月を超える日までに 1回以上行う |
| NST2 | 100点 | 介護保険施設等に入所 | 食事観察もしくは 技術的助言、会議への参加 |
食事観察等の参加から 2月以内に実施 |
|
| NST3 | 100点 | 障害児入所施設に入所 |
(4)訪問歯科衛生指導料(訪衛指)月4回
| 単一建物 診療患者 |
訪衛指1 | 訪衛指2 | 訪衛指3 |
|---|---|---|---|
| 1人 | 2〜9人 | 10人以上 | |
| 362点 | 326点 | 295点 |
【算定の要件】
- 訪問診療を行なった歯科医師の指示に基づき歯科衛生士が20分以上指導を行なった場合に算定します。
- 訪問診療を行なった日から1ヶ月以内であれば歯科衛生士単独で訪問することも可能です。
(患者の状態が安定していると判断される場合は2ヶ月以内) - 1人に対して20分以上の指導を行い、指導内容を文書により提供します。(文書加算は算定できません)
- 緩和ケアを実施する患者に指導する場合は月8回算定できます。
【指導の内容】
- 患者の口腔内の清掃(機械的歯面清掃含む)、有床義歯の清掃指導、口腔機能の回復もしくは維持に関する指導
複数名訪問衛生加算 +150点(訪衛指1に加算)
次のイ〜リにおける状態又はこれに準ずる状態である患者に対して複数名で患家を訪問する必要性があると判断するときに行います。
- イ.脳性麻痺等で身体の不随運動や緊張が強く体幹の安定が得られない状態
- ロ.知的発達障害等により開口保持ができない状態や療養上必要な実地指導の目的が理解できず治療に協力が得られない状態
- ハ.重症の呼吸器疾患等で頻繁に実地指導の中断が必要な状態
- ニ.日常に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られ、実地指導に際して家族等の援助を必要とする場合
- ホ.人工呼吸器を使用している状態、または気管切開等を行なっており実地指導に際して管理が必要な状態
- へ.強度行動障害の状態であって、日常生活に支障を来たすような症状・行動が頻繁に見られ実地指導に協力が得られない状態
- ト.暴力行為、著しい迷惑行為、器物破損行為が認められる者
- チ.利用者の身体的理由により1人の歯科衛生士等による実地指導が困難と認められる者
- リ.その他の利用者の状況から判断して、イ〜チまでのいずれかに準ずると認められる者
【算定の注意点】
- 前回訪問時の状態で判断します。
- 歯科医師が同行しているときは算定できません。
- 複数名訪問衛生指導を必要とする理由をカルテに記載してください。
- 施設に訪問したときは算定できません。
- 提供文書に同行者の氏名も記載してください。
今回は、訪問診療を始めるときの準備、訪問診療料と加算について解説しました。
必要な届出を忘れないようにして下さい。
次回は、訪問診療で算定できる管理料について解説します。お楽しみに!


