確認しよう!歯科訪問診療料と届出について
これから訪問診療を始める方も実施している方も、もう一度、確認しよう!

代表 亀井 綾子
そもそも訪問診療とは…?
在宅等で療養を行なっている患者に対し、医科・歯科・薬局等が連携して在宅医療の提供を推進しています。
医科 ⇄ 歯科 ⇄ 薬局等 で連携を取り合うので訪問診療はこれまで以上に重要なポイントになってきました。
- ・今まで訪問診療を行なっていなかった…
- ・訪問診療は行なっていたけど基本的な点数しか算定してこなかった…
訪問診療の請求をマスターして下さい
Step 1
訪問診療を始める前に届出が必要なことをご存知ですか?
訪問診療料を算定するためには届出を行います。届出を行わなくても訪問診療はできますが、訪問診療料の算定ができません。
| 施設基準 | 略称 | 届出の様式 | ||
|---|---|---|---|---|
| 初めて訪問診療を行う場合 | 歯科訪問診療料の注15に規定する基準 | (歯訪診) | 様式21の3の2 | 様式のPDFはこちら |
| 様式のPDFはこちら | ||||
| 訪問診療を始めて1年以上 経過している |
在宅療養支援歯科診療所1 | (歯援診1) | 様式18 | 様式のPDFはこちら |
| 在宅療養支援歯科診療所2 | (歯援診2) | 様式のPDFはこちら | ||
Step 2
訪問診療の依頼を受けたら、情報収集を行なって下さい。
- (1)主訴
- (2)患者の状態(訪問理由を含む)
- (3)訪問先
- (4)キーパーソン
- (5)訪問時間のアポイント
Step 3
訪問人数に応じた訪問診療料を算定しましょう。
歯訪診・歯援診1、2の届出を行なっている場合に算定します。
| 同一建物に居住する患者数 | 訪問診療1 | 訪問診療2 | 訪問診療3 | 訪問診療4 | 訪問診療5 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1人 | 2〜3人 | 4〜9人 | 10〜19人 | 20人以上 | |
| 20分以上 | 時間に関わらず 1,100点 |
410点 | 310点 | 160点 | 95点 |
| 20分未満 | 287点 | 217点 | 96点 | 57点 |
同居する同一世帯の複数患者の例外
同一の患家において2人以上の診察を行なった場合には1人目は「訪問診療料1」を算定し、2人目以降は「訪問診療料2」を算定します。
同居する同一世帯とは…
同じ住所で家計(生計)を一緒にしている世帯をいいます。
[例]ご夫婦の居宅に月4日、訪問診療を行った場合で算定
歯訪診・歯援診1、2の届出を行なっていない場合の歯科訪問診療料
| 届出を行なっていない場合 | 初診時 | 再診時 |
|---|---|---|
| 人数・時間に関わらず | 267点 | 58点 |
訪問先の医療機関または介護老人保険施設等と親族、理事などの特別な関係にある場合は、訪問診療料を算定できません。(注19)
| 特別な関係にある場合 | 初診時 | 再診時 |
|---|---|---|
| 人数・時間に関わらず | 267点 | 58点 |
*どちらの場合も訪問診療に相当する初診料・再診料なので訪問診療料を算定したものとしてみなされます。
Step 4
訪問診療料に加算できる点数があります。
①緊急歯科訪問診療加算、夜間歯科訪問診療加算、深夜歯科訪問診療加算
入院中の患者以外に対し、患者又は患者の家族からの依頼に応じて緊急に訪問診療を行なった時間に対して加算があります。
| 訪問時間 | 加算点数(訪問診療料に加算) | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 歯科訪問診療1 | 歯科訪問診療2 | 歯科訪問診療3 | 歯科訪問診療4 | 歯科訪問診療5 | ||
| 緊急歯科訪問 診療加算 |
おおむね9:00〜 18:00 |
425点 | 159点 | 120点 | 60点 | 36点 |
| 夜間歯科訪問 診療加算 |
18:00〜22:00 | 850点 | 317点 | 240点 | 121点 | 72点 |
| 深夜歯科訪問 診療加算 |
22:00〜6:00 | 1700点 | 636点 | 481点 | 249点 | 148点 |
加算とは…
主たる点数と同じ日に算定します。この場合は訪問診療料と一緒に算定します。
②歯科訪問診療補助加算(訪補助)
歯科衛生士が歯科医師と同行し診療を補助した場合に加算
| 1人のみ | 2人以上 | |
|---|---|---|
| 口管強届出医院、歯援診1 ・2の場合 | 115点 | 50点 |
| 上記以外の場合 | 90点 | 30点 |
*同居する同一世帯の場合は、1人目は1人のみの点数、2人目以降は2人以上の点数になります。
③歯科訪問診療移行加算(訪問診療料1のみ加算)
当該保険医療機関の外来に継続的に受診していた患者を訪問診療を実施した場合に加算します。
外来を最後に受診した日から3年以内に歯科訪問診療を実施した場合に限ります。
| 口管強届出医院の場合 | 150点 |
|---|---|
| 上記の診療所以外の場合 | 100点 |
④在宅歯科医療推進加算(在推進)(訪問診療料1のみ加算) 100点 要届出
在宅で歯科訪問診療を実施した場合に加算できます。
(注)この場合の在宅とは下記に入居または入所している場合は加算できません。
- 養護老人ホーム
- 軽費老人ホーム
- 有料老人ホーム
- 特別養護老人ホーム
- サービス付き高齢者住宅
(注)下記のサービスを受けている場合は加算できません。
- 短期入所生活介護(ショートステイ)
- 小規模多機能型居宅介護(通い又は短期入所)
- 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
- 介護予防短期入所生活介護(ショートステイ)
- 介護予防小規模多機能型居宅介護(通い又は短期入所)
- 介護予防認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
⑤歯科診療特別対応加算
著しく歯科診療が困難な者に対して歯科訪問診療を行なった場合に加算できます。
| 加算点数 | 加算点数 | |
|---|---|---|
| 歯科診療特別対応加算1 | 175点 | 著しく歯科診療が困難な者に対し歯科訪問診療を行なった場合 |
| 歯科診療特別対応加算2 | 250点 | 著しく歯科診療が困難な者に患者が歯科治療を円滑に適応できるような技法を用いて 歯科訪問診療を行なった場合 |
| 歯科診療特別対応加算3 | 500点 | 新型インフルエンザ等感染症、指定感染症または新感染症の患者に対して歯科診療を 行なった場合 |
【対象患者】
- (1)脳性麻痺等で身体の不随意運動や緊張が強く体幹の安定が得られない状態
- (2)知的発達障害等により開口保持ができない状態や治療の目的が理解できず治療に協力が得られない状態
- (3)重症の呼吸器疾患で頻繁に治療の中断が必要な状態
- (4)日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られ歯科診療に対して家族等の援助を必要とする状態
- (5)人工呼吸器を使用している状態、または気管切開等を行なっており歯科治療に際して管理が必要な状態
- (6)強度行動障害の状態で、日常生活に支障をきたすような症状・行動が頻繁に見られ、歯科治療の協力が得られない状態
- (7)指定の感染症(感染症の種類は省略)に罹患しており、標準予防策に加えて、空気感染、飛沫感染、接触感染対策を講じた場合
⑥地域医療連携体制加算(同一初診の間1回限り) 300点 要届出
歯科訪問診療料を算定する患者について、保険医療機関が表示する診療時間以外の時間、休日または深夜における緊急時に診療する可能性がある状態になることが予想される場合、あらかじめ取り決めをしておいた連携保険医療機関に対して診療状況を示す文書を添えて情報提供を行なった場合に加算を行います。加算を行う場合は患者又は患者の家族に同意を得ることが必要です。
⑦通信画像情報活用加算(月1回) 30点
歯科訪問診療料1〜3を算定し、歯援診1・2に適合する保険医療機関の歯科衛生士が過去2ヶ月に訪問歯科衛生指導料を算定した患者であって、歯科衛生士が単独で訪問し歯科衛生指導の実施中に歯科医師がリアルタイムで口腔内の状態等を口腔内ビデオ画像により観察したものに対して加算します。加算点数は次回訪問診療を行なった時に算定します。
⑧在宅医療DX情報活用加算(月1回) 8点 要届出
オンライン資格確認システムを導入し運用日の登録を行なった上で、居宅同意取得型のオンライン資格確認システム等の活用により得られる情報を踏まえて計画的な歯科医学的管理のもとに訪問診療を行なった場合に加算できます。
今回は、訪問診療を始めるときの準備、訪問診療料と加算について解説しました。
必要な届出を忘れないようにして下さい。
次回は、訪問診療で算定できる管理料について解説します。お楽しみに!



同一建物で1日に訪問診療を行なった人数のことです。
[例]同一建物に居住する患者数で算定