訪問診療で算定できる点数

代表 亀井 綾子
急性症状の発症時などに際し、即応出来る環境の整備が必要であるため、切削器具を常時携帯します。
必要な処置・手術は外来と同様に行いますが難抜歯の様な困難な手術は対象外になります。
今回は、訪問診療で算定できるものを確認していきたいと思います。
訪問診療で算定できるもの
①在宅等療養患者専門的口腔衛生処置(在口衛) 130点(月1回)
歯科疾患在宅療養管理料(歯在管)を算定した患者に対して、歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が専門的な口腔清掃、義歯清掃又は機械的歯面清掃を行なった場合に算定します。
【算定の注意点】
- 訪問歯科衛生指導料とは同日の算定はできませんが日ちにを変えれば算定できます。
【算定のアドバイス】
- 歯の喪失や加齢、または全身疾患等により口腔機能の低下を認める在宅療養患者の管理
②根面う蝕管理料 30点(月1回) +口管強届出医院は48点加算
■病名:根C
初期の根面う蝕(露出した歯の根面に生じ、変色を認めるがう窩はないが、あってもごく小さい、表面が硬く滑沢で光沢がある初期のう蝕)に罹患している患者に対しその進行を抑制する目的として管理を行います。
③フッ化物歯面塗布処置(初期の根面う蝕に罹患している患者) 80点(3月に1回)
■病名:根C
根面う蝕管理料を算定した患者に対して歯科医師又はその指示を受けた歯科衛生士がフッ化物歯面塗布処置を行なった場合に算定します。
月1回の算定で2回目以降は処置を行なった翌月から起算して2月を経過した日以降に行います。
フッ化物製剤:2%フッ化ナトリウム溶液、又は酸性フッ化リン酸溶液(薬剤料は、別に算定できません。)
フッ化物歯面塗布の方法:綿球にによる歯面塗布法、トレー法、イオン導入法等で行う局所応用
【算定のアドバイス】
- 根Cの患者に対して「管理」と「処置」に分かれました。
根面う蝕管理料は毎月算定を行い、3月に1回フッ化物歯面塗布処置を行えます。 - 根面う蝕管理料+口管強加算⇨歯面清掃を毎月算定できます。
④歯周病検査(歯周ポケット測定が困難な場合)
訪問診療においては意思疎通が困難で治療に協力を得られなかったり、患者の状態により歯周ポケット測定が困難な場合があります。
歯周病検査の点数を算定して、検査結果として歯周組織の状態の評価(歯肉発赤・腫脹の状態及び歯石沈着の有無等)をカルテ記載してください。
歯周基本治療を行うことができます。
⑤歯周病重症化予防治療(P重防) 1口腔月1回 (2回目以降は3ヶ月に1回)
歯周基本治療後の歯周病検査の結果、歯周ポケットが4mm未満ではあるが歯肉に炎症が見られ、BOPを認める場合は、重症化しないように治療と継続的な管理を行います。
【算定の要件】
- 歯在管算定の患者で2回目以降の歯周病検査の結果に基づき管理を開始します。
- 訪問口腔リハを算定しているときは、P重防を算定できません。
- P重防開始後算定できないもの:歯周基本処置(SC)、P処、在口衛、歯清、非経口処
- 周病検査の結果、ポケット4mm以上を認めた場合は、管理を中断してSRPを実施します。
| 算定歯数 | 点数 | 口管強加算はありません |
|---|---|---|
| 1〜10歯未満 | 150 | |
| 10〜20歯未満 | 200 | |
| 20歯以上 | 300 |
⑥歯周病安定期治療(SPT) 1口腔月1回 (2回目以降は3ヶ月に1回)
SRP後あるいは歯周外科手術後の歯周病検査の結果、歯周ポケット4mm以上が散在するが歯肉に炎症がないあるいはBOPが認められない場合、病状安定と判断します。この状態を維持するために管理を行います。
【算定の要件】
- 歯在管算定の患者でSRP又は外科手術後の歯周病検査の結果に基づき管理を開始します。
- 訪問口腔リハを算定しているときは、P重防を算定できません。
- SPT開始後算定できないもの:歯周基本処置(SC、SRP)、P処、在口衛、歯清、非経口処
- SPT開始後歯周病外科手術が必要になった時は管理を中断して行うことができます。
点数は所定点数の50/100となります。 - 口管強届出医院、患者の状態により期間短縮(月1回算定可能)ができます。期間短縮の理由は、外来と同じです。
| 算定歯数 | 点数 | 口管強加算 |
|---|---|---|
| 1〜10歯未満 | 200 | +120 |
| 10〜20歯未満 | 250 | |
| 20歯以上 | 350 |
【算定のアドバイス】
- P重防は期間短縮のルールがありませんが口管強届出医院に限り月1回算定できる場合があります。
| 口管強届出医院の場合 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 歯周病検査 | → | 歯周病検査 | → | 歯周病検査 | → | 歯周病検査 |
| SPT(初回) | 1ヶ月後 | SPT(2回目) | 1ヶ月後 | P重防 | 1ヶ月後 | P重防 |
*SPT管理中に検査結果により改善が見られポケット4mm未満となった。しかし部分的に発赤・出血が見られ継続して管理が必要なためP重防で管理することとした場合は月1回の算定ができます。
⑦口腔細菌定量検査 要届出
舌の表面を擦過し採取されたもの、または舌の下部から採取された唾液を検体として、口腔細菌定量分析装置を用いて細菌数を測定します。
1)口腔細菌定量検査1 130点(月2回) 1ヶ月以内の検査は50/100
口腔バイオフィルム感染症の診断を目的とした検査
【算定の要件】
- 在宅において療養をおこなっている患者
- 入院中の患者
- 特別対応加算に準じる状態の患者(以下略)
2)口腔細菌定量検査2 65点(3月に1回)
口腔機能低下症の診断を目的とした検査
【算定の要件】
- 問診、口腔内所見から加齢による口腔機能の低下が疑われる患者
- 口腔機能低下症診断後は歯在管、訪問口腔リハを算定した患者
⑧口腔バイオフィルム除去処置 110点(1口腔につき月2回限り)
■病名:口腔バイオフィルム感染症
口腔バイオフィルム感染症と診断された患者に対して口腔バイオフィルム除去を行います。
【算定の注意点】
- 同月に算定できないもの:歯周病処置、歯周基本治療、SPT、P重防、在口衛、歯清、非経口処、周術期専門的口腔衛生処置、回復期専門的口腔衛生処置
⑨その他口腔機能低下症診断の検査
| 検査名 | 点数 | 算定の要件 | |
|---|---|---|---|
| 舌圧検査 | 140点 | 3月に1回 |
|
| 咀嚼能力検査1 | 140点 | どちらかを 3月に1回 |
|
| 咬合圧検査1 | 130点 |
⑩非経口摂取患者口腔粘膜処置(非経口処) 110点(月2回)
■病名:口腔剥離上皮膜
歯科医師又は歯科医師から指示を受けた歯科衛生士が口腔衛生状態の改善を目的として、口腔清掃用具を用いて口腔の剥離上皮膜の除去を行なった場合に算定します。
- 同月に算定できないもの:歯周病処置、歯周基本治療、SPT、P重防、在口衛、歯清、非経口処、
周術期専門的口腔衛生処置、回復期専門的口腔衛生処置
【算定の要件】
- 患者自身による口腔清掃が困難な療養中の患者
- 経管栄養を必要とする、経口摂取が困難または可能であってもわずかである患者
- 同月に算定できないもの:歯周病処置、歯周基本治療、SPT、P重防、在口衛、歯清、口腔バイオフィルム除去処置、
周術期専門的口腔衛生処置、回復期専門的口腔衛生処置
⑪その他訪問診療で算定可能なもの
- 周術期口腔機能管理料…がん等の手術、放射線治療をおこなっている患者に対する管理料
- 回復機等口腔機能管理料…回復期リハビリテーション病棟等に入院する患者の対する管理料
訪問診療で算定できる処置を解説しましたが今まで算定していなかったものはありましたか?
コラムを参考にしていただいて、訪問診療で行える処置を診療に取り入れてみてください。
今回で最終回となります。最後まで読んでいただきありがとうございました。


