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インタビュー

INTERVIEW
THEME

2023年11月、脳神経外科と歯科が連携した「医療法人 おひさま脳神経外科・歯科」が開院し、大きな話題になりました。開院を主導したのは、2015年から広島市中区で歯科診療を、2016年から訪問歯科診療を行う「おひさま歯科・小児歯科」の辰本将哉理事長。広島大学の脳神経外科やその関連施設でさまざまな治療・手術に携わってきた高安武志院長とタッグを組み、全国的にも珍しいクリニックを立ち上げた経緯や医科歯科連携の狙い、具体的な取り組みについて、お二人にお話を伺いました。

おひさま脳神経外科・歯科
https://ohisama-ikasika.com

医療法人 おひさま脳神経外科・歯科
高安 武志
高安 武志 先生
医療法人 おひさま脳神経外科・歯科
院長
<資格・活動>
医師 医学博士
日本脳神経外科学会 専門医・指導医
日本神経内視鏡学会 技術認定医
日本がん治療認定医
<所属>
  • 日本脳神経外科学会
  • 日本神経内視鏡学会
  • 日本がん治療認定医
  • 日本脳卒中学会
  • 日本脳腫瘍学会
  • 日本頭痛学会
  • 日本脳ドック学会
  • 日本認知症学会
  • 日本東洋医学会
  • 日本医師会
  • 広島県医師会
  • 広島市医師会
  • 広島市中区医師会
辰本 将哉
辰本 将哉 先生
医療法人 おひさま脳神経外科・歯科
おひさま歯科・小児歯科 理事長
<資格・活動>
歯科医師
介護支援専門員
広島市吉島中学校学校歯科医
<所属>
  • 大阪SJCD Branding Adviser
    (日本臨床歯科学会大阪支部)
  • Branding Adviser
  • 日本顎咬合学会
  • 日本口腔インプラント学会
  • 日本歯科医師会
  • 広島県歯科医師会
  • 広島市歯科医師会
  • 広島県介護支援専門員協会
「おひさま歯科・小児歯科」の分院として脳神経外科併設の歯科医院を開業されたのはどのようなことがきっかけだったのでしょうか。
その経緯をお聞かせください
辰本 理事長
辰本 理事長2015年に本院となるおひさま歯科・小児歯科を開設し、その翌年から訪問歯科診療を始めたのですが、地域のことを知るため、在宅医療に関わる多職種(医師、歯科医師、薬剤師、ケアマネジャー、介護福祉士、行政担当者等)が一堂に会し、事例の検討や意見交換をする多職種連携会議に参加しました。
本院の「おひさま歯科・小児歯科」。
「あって良かった」と思われる場所になることを目指し、常に最善の治療を提供している。
当院のある吉島中学校地域は広島市内でもそうした取り組みが活発なエリアで、多いときには100名ほどの関係者が参加します。そこで、地域の課題について話し合う中で、私のところに「訪問歯科診療を行ってくれないか」という打診があり、地域にためになるならと思って始めることにしました。その訪問歯科診療が医科歯科連携の必要性を感じた最初のきっかけでした。
具体的にどのような経緯があって医科歯科連携の必要性を感じられたのですか
辰本 理事長
辰本 理事長訪問歯科診療の患者さんは認知症を患っておられる方が多いのですが、認知症の方は私たちが何者かを理解することが難しいので、毎回「あなた誰?」から始まります。せっかく入れ歯を作っても失くしてしまわれたり…。そういう事態に直面し、“認知症そのものを予防することや進行を遅らせることが大切なのでは”と考えるようになったのです。ちょうどその頃、父親が脳梗塞を発症して高次脳機能障害で介護が必要な状況になり、家族としていろいろな対応をする中で、介護をする者の大変さを身をもって体感したということも“認知症を何とかしなければ”と思うきっかけになりました。
ケアマネジャーの資格を取得されたのはその頃のことでしょうか
辰本 理事長

辰本 理事長そうですね。地域の課題でもある認知症の増加に対して何かできることはないかと考え、まずはケアマネジャーの資格を取って在宅医療に携わることから始めようと思ったんです。歯科医院だけの力で解決できることは限られていますから…。

資格取得のための勉強は大変だったのではないですか
辰本 理事長

辰本 理事長膨大な勉強時間が必要で、それはもう大変でした。けれども、ケアマネジャーの資格は医療のことから訪問看護のこと、介護のこと、高齢者施設のことなど、広く浅く全体を勉強します。広く浅く勉強すると視野が広がり、それまでは歯科医師の視点だけだったのが、幅広い視点で物事を捉えられるようになりました。ものごとを客観的に見ることができるようになり、それまで見えていなかった地域の課題なども発見できました。
ケアマネジャーの資格取得には実務研修があり、地域の要介護者の自宅に伺って生活背景などを確認するのですが、冷蔵庫の中を見ればどんな食事をされているかだいたい分かります。食事はお口の健康と密接に関わっていますから、そこでは歯科医師としての視点が役立ちました。このように、目の前の患者さんが必要とするサポートをいろいろな視点・角度から考えるのがケアマネジャーの役割なのですが、それを法人として行うための方法の一つが医科歯科連携だったんです。

医科の連携先として脳神経外科を選んだのはどういう理由からですか
辰本 理事長

辰本 理事長私の父もそうでしたが、脳梗塞や脳出血など、認知症に関わる脳の疾患が要介護につながってしまうことが多く、その入り口(認知症の早期発見)と出口(適切な機関や福祉サービスへの接続)をサポートできればと考えました。
また、多職種連携会議でこの地域には脳神経外科がないと知ったことも理由の一つです。脳梗塞になってもここにはそれを診る専門の医師がいないし、MRIの撮影もできない。そうした地域の事情も鑑みて、ここには脳神経外科が必要だと判断したのです。それを知人に話したら、広島大学の先生を紹介してくれて、それが高安先生でした。

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